個人でできる!SDGs取り組み~サステナブル・シーフード~
私たちの日常の食卓に並ぶ魚たち。
煮ても焼いても、生でもおいしいですよね。
FAO(国連食糧農業機関)によると、人口の増加や健康嗜好などによる需要の拡大に伴い、1人当たりの魚の消費量は過去半世紀で約2倍となっています。
日本では魚離れが続き減少傾向にあるものの、3位に入っています。
しかし、需要拡大は適正水準を超える過剰な漁獲を招き、資源不足が問題視されています。
資源不足は、自然が元来持っている再生力も奪ってしまうからです。
このままでは将来海から魚がいなくなってしまい、魚や貝を食べられなくなるかもしれません。
こうした中で環境や社会に配慮して作られた「サステナブル・シーフード」が注目されています。
目次
- 「サステナブル・シーフード」とは?
- MSCとは?
- ASCとは?
- CoC認証とは?
- 国内の取り組み
「サステナブル・シーフード」とは
サステナブル(持続可能)な漁業によって得られた水産物のことです。
大きく「天然」と「養殖」に分けられ、天然の水産物にはMSC認証、養殖水産物にはASC認証とそれぞれ認証する仕組みがあります。
MSCとは?
MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)は、イギリスのロンドンに本部を置く国際非営利団体で、漁業認証と海のエコラベルの制度を管理しています。
過剰な漁獲を適切な量へと管理し生態系に配慮した漁業でなければ、豊かな海の生態系を守り続けることはできません。
MSCはこれらを厳しく審査します。
MSC「海のエコラベル」は、MSCの漁業認証規格を満たし、未来の世代まで水産物を食べ続けられるように「過剰な漁獲をしない」「生態系を壊さない」漁業で獲られた水産物に付けられるマークです。
買い物をする際、MSC認証が付いた水産物を選ぶことで持続可能な漁業を支えることができます。
ASCとは?
ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)は、2010年に設立された国際非営利団体で、養殖水産物を対象とする認証制度を運営しています。
いまや養殖水産物は、世界の水産物のおよそ半分を占めるようになってきています。
しかし、養殖場建設による自然破壊や海洋環境の汚染、労働環境の悪化などの問題も。
ASC認証は、こうした自然と労働環境に配慮した養殖業で獲られた水産物に付けられるマークです。
ASC認証の対象となっている魚介類は以下の12種です。
【ASC認証対象(2020年9月現在)】
- サケ
- ブリ、スギ類
- 淡水マス
- シーバス・タイ・オオニベ類
- ヒラメ
- 熱帯魚類
- ティラピア
- パンガシウス
- 二枚貝(カキ、ホタテ、アサリ、ムール貝)
- アワビ
- エビ
- 海藻
CoC認証とは?
CoC認証(Chain of Custody )は、「加工・流通過程の管理」を意味します。
消費者にMSCやASC認証された認証水産物が届くためには、加工や流通の過程で認証水産物以外の水産物が混ざらないよう適切に管理する必要があります。
CoC認証はこの過程を審査し、認証しています。
CoC認証を取得していない業者を経た場合、MSCやASCの認証ラベルを付けて販売することはできません。
国内の取り組み
スーパーなどでMSC認証やASC認証ラベル付きの製品が販売されるほか、社員食堂やレストランでもサステナブル・シーフードを提供できるよう取り組んでいます。
・パナソニック
【参照サイト】サステナブル・シーフードを社員食堂に日本で初めて継続的に導入
・花王
【参照サイト】花王、本社の食堂にサステナブル・シーフードメニュー導入
・レストラン
【参照サイト】サステナブル・シーフードが食べられるレストラン
いかがでしたか?
買い物やランチなどをするとき何を選択するか。
将来も魚を食べ続けていけるかどうかは、あなたの選択次第です。
まずは普段の買い物を通して、私たちができる一歩を踏み出してみませんか?
ここまでお読みいただきありがとうございます。
「SDGs Action」では、日本の、そして世界の未来のために活動している人を社会全体で支援することを目指しています。
普段の仕事の中に社会的な意義を加え、働く日々に熱を与えませんか?
人々のアクションで世界をもっと豊かに。